ビザって必要?パスポートとの違いとは

海外旅行の際に必須になるのがパスポート。
それと合わせてビザの取得が必要になる場合があります。

そもそもビザは何のために必要なのか、パスポートと何が違うのかということを知らない方も多いのではないでしょうか。

今回はパスポートとビザの違いやビザについて解説していきます。

パスポートとビザの違い

はじめにパスポートとビザのそれぞれの役割について見ていきましょう。

パスポートとは

海外旅行の際、必須のアイテムであるパスポート。世界のどこでも通用する身分証明書です。
空港での出入国の審査時やホテルでのチェックイン時などに提示を求められます。
発行は自国で行います。
日本国籍の方のパスポートは取得時の年齢によって2色に分けられています。

ビザとは

ビザは査証とも言われています。
自国民以外に対して審査した上で発給する入国を許可した証書です。
発行は渡航先の国が行います。
ステッカーを貼り付けられたり、スタンプが押されたり様々なタイプがあります。

比較表

発行元 申請場所 役割
パスポート 自国 基本的には住民票のある都道府県のパスポートセンター。 全世界共通の身分証明書。
ビザ(査証) 渡航先の国 渡航先の大使館や領事館で事前に取得する場合や現地到着時の空港で取得などビザの種類により異なる。 渡航先の国が自国民以外に所持しているパスポートが有効であり、入国しても問題ないか審査し発給する。
事前に行う身元審査。

ビザが不要な国・必要な国

渡航先の国によってはビザなしでパスポートのみで出入国が可能です。

日本のパスポートは世界の中でも最強のパスポートと言われています。
毎年、コンサルティング会社Henlry&Partnersが発表しているパスポート自由度ランキングにおいて日本は2018年から連続でトップとなっています。

2022年第3クオーターのランキングによると、日本国籍のパスポートは193の国や地域にビザなしで渡航できます

パスポートの自由度が高いTOP10

順位 点数 国名
1 193 日本
2 192 韓国、シンガポール
3 190 ドイツ、スペイン
4 189 フィンランド、イタリア、ルクセンブルク
5 188 オーストリア、デンマーク、オランダ、スウェーデン
6 187 フランス、アイルランド、ポルトガル、イギリス
7 186 ベルギー、ニュージーランド、ノルウェー、スイス、アメリカ
8 185 オーストラリア、カナダ、チェコ、ギリシャ、マルタ
9 183 ハンガリー
10 182 リトアニア、ポーランド、スロバキア

パスポートの自由度が低いWORST5

順位 点数 国名
112 27 アフガニスタン
111 29 イラク
110 30 シリア
109 32 パキスタン
108 34 イエメン

出典:Henlry&Partners「Global Ranking 2022」

これだけ多くの国と地域へ旅行するのにビザが不要ということは、
他国から日本という国への信頼性の高さを示しているのかもしれませんね。

ビザが必要な渡航先

現在、日本国籍の方が渡航の為にビザの取得が必要な国・地域は35ヶ所あります。

下記のリストにある国や地域へ渡航の際はビザの取得が必要です。
アフリカの国が多く、海外旅行の際はほとんど必要なさそうですね。

オセアニア
ナウル
中東
シリア、イエメン
ヨーロッパ
ロシア
カリブ海
キューバ
アジア
アフガニスタン
ブータン、北朝鮮
トルクメニスタン
アフリカ
アルジェリア、アンゴラベナン、ブルキナファソブルンジ、カメルーン、中央アフリカ共和国
チャド、コンゴ共和国、コンゴ民主共和国、コートジボワール、ジブチ、赤道ギニア、エリトリア、ガーナ、ギニア、ケニア、リベリア、リビア、マリ、ニジェール、ナイジェリア、南スーダン、スーダン、ガンビア

引用:Henlry&Partners「The Henley Passport Index」

*現在、コロナウイルスの影響で、ビザ発給の条件が変更となっている場合があります。
詳細は外務省ホームページをご確認ください。
*過去の渡航歴や滞在日数などによって、ビザの取得が必要になる渡航先もあります。

ビザの種類

ビザの種類は国によって異なります。
外国籍の方が日本へ入国する際に取得するビザは以下の8種あります。

  1. 外交査証
  2. 公用査証
  3. 就業査証
  4. 一般査証
  5. 短期滞在査証
  6. 通過査証
  7. 特定査証
  8. 医療滞在査証

日本に観光や商用の為に短期滞在される方は「短期滞在査証」を取得します。

アメリカの場合、大きく分けると2種類あります。
1つが移住を希望する人が取得する移民ビザ、もう1つが特定の目的のために一定期間滞在の為に取得する非移民ビザです。
非移民ビザは以下の種類に分けられます。

  1. 商用/観光ビザ(Bビザ)
  2. 就労ビザ(H・L・O・P・Q・R ビザ)
  3. 学生ビザ(F・Mビザ)
  4. 交流訪問者ビザ(Jビザ)
  5. 通過ビザ/クルービザ(Cビザ/Dビザ)
  6. 使用人ビザ(B-1ビザまたは雇用主のビザステータスに応じたビザ)
  7. 報道関係者ビザ(Iビザ)
  8. 貿易駐在員・投資駐在員ビザ(Eビザ)
  9. 婚約者ビザ(K-1ビザ)
アメリカに半年間、語学留学する場合はどのビザを取得したらいいの?

この場合は学生ビザの取得が必要です。
学生ビザにはF-1ビザとM-1ビザの2種類がありますが、一般的な学生ビザはF-1ビザになります。

ビザの取得が必要な場合は自分が渡航する目的に合ったビザを取得しましょう。

電子渡航認証システム

ビザと似ているのが電子渡航認証システムです。
混同してしまう方もいるのですが、電子渡航認証システムはビザではありません。

電子渡航認証システムとは

「電子渡航認証システム」とはビザ免除プログラムを採用している国で一定期間の観光や出張の滞在に対して、入国の許可を事前のオンライン申請で行っています。

アメリカに旅行をしたことのある方はESTAを取得されたのではないでしょうか。
このESTAが電子渡航認証システムの1つです。

アメリカ以外にもビザ免除プログラムを導入している国があります。
国によって「電子渡航認証システム」の呼び方は異なります。

  • アメリカ・・・ESTA
  • オーストラリア・・・ETAS
  • カナダ・・・eTA

まとめ

いかがでしたか。

今回はパスポートとビザについて解説しました。
日本のパスポートは最強と言われるだけあり、ビザが必要な場面も少なくあまりなじみがありません。
しかし、それぞれ異なる役割があるということを知っているだけでも、ビザを取得しなければいけない時も焦らずに済むのではないでしょうか。

海外旅行の際は渡航先の出入国条件を事前に確認し、旅行に行けなくなってしまうことを防ぎましょう。